kivantium活動日記

プログラムを使っていろいろやります

2020年10月

もう11月がはじまって1週間が経ってしまいましたが一応書きます。特に何もやってないので書くこともないんですが……

DeepMindインターン

大学からDeepMindインターンを募集していると案内されたので申し込んだら即落とされました

せっかくなのでお祈りメールを貼っておきます

Dear **********,

We appreciate your interest and the time you took to apply for the Research Scientist Intern, Sciences 
role here at DeepMind. 

Having reviewed your application, we have made the decision not to progress you further in our process.
While we are not able to share more detail on why you were not selected for this role,
we do hope you apply for other opportunities that are of interest.
If you have already applied to other roles, we will update you on the status of your application for those
roles separately. 

Thank you for your interest in DeepMind and for the time you invested in exploring this opportunity
with us. 

DeepMind Recruitment Team  

学校からの奨学金だけで生活するのが厳しそうなのもあり、今後もインターンに応募してお祈りメールを収集していく予定なのでご期待ください。

ルーターを作る課題

今月はかなりの時間をルーターをソフトウェアに作る課題に費やしました。元ネタは以下のページにあるものっぽいです。
Simple Router · mininet/mininet Wiki · GitHub

クライアントからルーターを経由してサーバーが接続されている仮想ネットワーク上で、クライアントからサーバーに対してping, traceroute, wgetが実行できるようにするルーターを作るのが課題でした。時間は掛かりましたがARPプロトコル・IPプロトコル・ICMPプロトコルの理解が深まって大変良い課題だったと思います。

その他

読んだ本

共産党宣言 (光文社古典新訳文庫)

共産党宣言 (光文社古典新訳文庫)

熱力学 (講談社基礎物理学シリーズ)

熱力学 (講談社基礎物理学シリーズ)

2020年10月

相変わらずだらしない生活をしています

DeepMindインターン

大学からDeepMindインターンを募集していると案内されたので申し込んだら即落とされました

せっかくなのでお祈りメールを貼っておきます

Dear **********,

We appreciate your interest and the time you took to apply for the Research Scientist Intern, Sciences 
role here at DeepMind. 

Having reviewed your application, we have made the decision not to progress you further in our process.
While we are not able to share more detail on why you were not selected for this role,
we do hope you apply for other opportunities that are of interest.
If you have already applied to other roles, we will update you on the status of your application for those
roles separately. 

Thank you for your interest in DeepMind and for the time you invested in exploring this opportunity
with us. 

DeepMind Recruitment Team  

学校からの奨学金だけで生活するのが厳しそうなのもあり、今後もインターンに応募してお祈りメールを収集していく予定なのでご期待ください。

ルーターを作る課題

今月はかなりの時間をルーターをソフトウェアに作る課題に費やしました。元ネタは以下のページにあるものっぽいです。
Simple Router · mininet/mininet Wiki · GitHub

クライアントからルーターを経由してサーバーが接続されている仮想ネットワーク上で、クライアントからサーバーに対してping, traceroute, wgetが実行できるようにするルーターを作るのが課題でした。時間は掛かりましたがARPプロトコル・IPプロトコル・ICMPプロトコルの理解が深まって大変良い課題だったと思います。

その他

読んだ本

共産党宣言 (光文社古典新訳文庫)

共産党宣言 (光文社古典新訳文庫)

熱力学 (講談社基礎物理学シリーズ)

熱力学 (講談社基礎物理学シリーズ)

2020年9月

9月から博士課程1年生になりましたが、入国制限があって現地に行けないため相変わらず実家でだらっと過ごしています。大学自体もまだ入構制限があるためほとんどの講義がオンラインで実施されているのですが、時差には配慮されていないので日本の深夜に行われるものが多く、受けられる講義が限られています。今学期は学部のときに受けそびれたインターネットの講義と密度汎関数法の講義の2つを取ることにしました。(単位が出ないライティングの授業も取っていますが、面白くないのに履修解除できなかったので仕方なく聞き流しています)

インターネットの講義は、授業は毎週投稿される動画を見るだけで、小テストだけ現地時間に出席すればよいという外国人に親切な仕様になっています。一方、密度汎関数法の講義は授業中に発表を求められるのでどうしても現地時間に合わせる必要があります。ほとんどの状況で自分の英語力が最弱なので発表を求められると非常につらいのですが、やっていくしかありません。

せっかくなのでカリキュラムについて説明しておきます。
学部から直接博士課程に入学した学生は8単位、修士を取った後に博士課程に入学した学生は4単位を取ることが求められています。自分は修士を取ってから入ったので4単位が要求されています。コンピュータサイエンスの幅広い知識を身につけていることが博士の要件らしいので、この4単位は異なる研究分野から選ぶことが求められています。Ph.D. candidacyを獲得するために博士課程開始から3年(学部から直接入った場合は4年)以内に単位を揃えておく必要があるようですが、単位を揃えた学生だけが申し込める奨学金が存在するので早めに揃えておいたほうがいいみたいです。(Ph.D. candidacyが何なのかよく分かっていないのですが、1) 単位を揃える 2) Qualifying Oral に合格する 3) 博士論文のテーマが委員会によって承認される の3要件が必要らしいです)


博士課程の学生にはRAとTAという形でお金が支給されています。RAは在籍していれば無条件で支給されます(人によって違うらしいですが、僕の場合は年間$21,000)。TAはやった人にだけ支給され、年間2つのTAをやることが標準になっています(1つのTAは60時間の仕事が要求され、およそ$3000もらえるらしいです)。授業料(今年は$8500)の支払いは免除されています(書類上は授業料相当額を大学が学生に支払い、学生が大学にその額を支払うということになっています)。

ただし、この支給を受けるためには現地の銀行口座が必要になります。現地の銀行口座の開設には学生ビザを取得した状態で入国した際に与えられる現地のマイナンバー的なものが必要となるので、現地の口座はまだ開設できていません。そのため、今のところ大学からは1ドルも受け取っていません(払えなかった分はプールされて、口座を開設次第受け取れるそうですが)。また、TAをするためにはマイナンバー的なやつを提出することが法律で求められているらしく、今学期は1つもTAをすることができていません。担当者に「TA代を減らさないためにはどうすればいいか?」と尋ねたところ、「入国できるようになったらたくさんやってくれ」とのことでした。英語がいまいちな自分がTAを通常より多くやるのは現実的ではないので、今年の分のTA代は受け取れないものと思っています。悲しい。

読んだ本

PID制御について勉強したかったので読みました。全く知らない分野なので面白かったですが、具体的にどう制御理論を使うのかイメージが持てなかったので理解は適当です。

モーターってすげぇ(小並感)って感じで読みました。

統計に頼るのではなく、一例を挙げて全部に適用しようとする論法が多くいまいちでした。黒人差別や健康保険の問題などアメリカ固有の話が多いのもいまいちでした。

印象が薄くて何が書いてあったか思い出せない……

はじめてのロボット創造設計 改訂第2版 (KS理工学専門書)

はじめてのロボット創造設計 改訂第2版 (KS理工学専門書)

一応は目を通したほうがいいのかもしれないが、これだけ読んでも何か作れるようにはならないという印象でした。

ざっとしか分かりませんでした

2020年8月

学生の頃は毎年夏休みをうまく活用できなかったと後悔していた気がしますが、今年も何やったのかよく分からないまま8月が終わってしまいました。

読んだ本

OSのことをちゃんと勉強しようと思っていたはずなのですが、いつの間にかその気持ちを完全に忘れて8月後半は何も勉強しませんでした……

摂動論や経路積分の話が書いてあったのですが、原子・分子の話からはだいぶ離れてしまったのでこれは読まなくてもよかったかもしれません

密度汎関数法の勉強をずっとしたいと思っていたのですが、「密度汎関数法の基礎」(常田貴夫)はユーザー寄りで理論の説明が薄く、「原子・分子の密度汎関数法」(R.G. Parr and W. Yang) は物理寄りすぎて読めなかったので適当な難易度の教科書がなくて困っていました。この本はHatree-Fock法の復習から入ってThomas-Fermi modelからKohn-Sham方程式への流れを割としっかり説明してくれたのでなんとなく分かった気になれました。後半のサーベイ数値計算の結果とかだったので読んでいません。理論の説明がちゃんとされているのはエネルギー計算までで、振動解析とかは説明がなかったのでもう少し難しい本を読む必要があるのかもしれません……

「イラストで学ぶ」と言いながらイラストで学べなくて意外と中身がガチなことで有名なシリーズです。人工知能概論の方は読んだことがあったのですが、ロボット工学が続きとして発売されていたのを知ったので復習として読みました。説明は広く浅くという感じなのでこれだけではどんな分野が存在するのかくらいしか分かりませんでしたが、巻末のブックガイドに従って今後勉強していこうと思います。

8月といえば終戦の日なので戦争関連の本を読みました。

これは虜人日記(小松真一)を切り貼りして適当に感想を述べているだけなのであまり面白くありませんでした。

日米開戦に関する知らない情報がたくさん書いてあったのでかなりおすすめです。まとめはこのツイートにぶら下げてあります。

永遠平和のために (岩波文庫)

永遠平和のために (岩波文庫)

  • 作者:カント
  • 発売日: 1985/01/16
  • メディア: 文庫
国際連合の思想の元になった古典なので一度読んでおきたかったです。

本のほかには映画として

を見ました。

「沖縄決戦」は庵野さんがトップをねらえ!を作るときに参考にしたらしいので気になっていました。

史上最大の作戦」はノルマンディー上陸作戦を巨額の予算を投じて描いた作品として有名なので前から見たいと思っていました。配信サイトがないので困っていたのですがたまたまブックオフで売っていたので買いました。

三ツ星カラーズ8 (電撃コミックスNEXT)

三ツ星カラーズ8 (電撃コミックスNEXT)

アニメ

今期のアニメに惹かれるものがなかったので昔の作品を見ています。今期は不作だといつも言っている気がしますが、一本も見ないのはさすがに初めてかもしれません。

ストライクウィッチーズ3期の準備としてブレイブウィッチーズを見ました。放映当時の評判がめちゃくちゃ悪かったので見ていなかったのですが、今見てみると酷評するほどではないと思いました(一番盛り上がったのがエイラーニャがゲスト出演する回だったので、わざわざ502を出す必要あった?と思ってしまいましたが……)。接触魔眼は危ないから使うなと言っておきながら特に安全性が変わったわけでもないまま解禁しちゃったり、鳴り物入りで登場したデカイ兵器が役に立たなくて結局ウィッチの根性プレイで倒しちゃったりする展開はいつものストライクウィッチーズシリーズだなぁと思いました。

15周年で盛り上がっていたのでアイドルマスターのアニメを見ました。13話の自分REST@RTのライブシーンはかなり良かったです。ラブライブ!が流行っていたときにライブシーンはアイマスのほうが良いという評価を多く見たのですが、確かにかなりの気合を感じました。一方で、美希・千早・春香で「練習に来なくなる→なんやかんやで復活」のパターンを3回繰り返し、さらにそれを劇場版でもやってしまう話のつくりはどうなのと思ってしまいました……。アイドルが挫折を乗り越える描写をするにはそうするしかないのかもしれませんが。劇場版が無料公開されているタイミングに間に合わせるために後半を早送りで見てしまったのは結果的によくなかったかもしれません。

2020年7月

出来事

修士のときの指導教員のご厚意に甘えて、テーマをもらって研究をしていました。といっても大学が閉鎖されている影響でミーティング等は全てオンライン化されていたので一度も研究室に行きませんでした。9月から博士課程が始まりますが、今年いっぱいは日本にいる予定なのでメリハリのある研究生活を確立する必要がありそうです。

研究を進めるために読むべき文献がかなり量子力学の予備知識を仮定していたので、最近はずっと量子力学を勉強しています。ここまでに読んだ本を振り返っておきます。いろんな人が「量子力学を一冊で理解するのは無理だからいろんな本を読むべき」と言っているので、一冊の本にあまり時間をかけず、分からないところは流し読みして早めに読み終えていく方針で勉強しています。

東大の前期教養の量子力学の教科書として使われているらしい「量子論の基礎」を学部3年くらいのときに読みました。量子力学の公理から入ってEPRパラドックスベルの不等式まで説明しています。量子力学古典力学とどう違うのかを理解する上ではこの本のような構成でいいのかもしれませんが、水素原子のシュレーディンガー方程式の解き方のような化学への応用にはほとんど触れられていなかったため、化学への応用を知りたい自分には不向きでした。

量子化学 上巻

量子化学 上巻

M1のときに研究室の人から教えてもらった原田量子化学を読みました。この本はシュレーディンガー方程式の導出から始まって現代の量子化学計算の基本までを丁寧に数式で説明していて、化学への応用を知るにはこれが良さそうでした。量子化学の本ではマッカーリ・サイモン物理化学も有名なのでざっと読んでみましたが、計算の詳細が全部演習問題に回されているのでこれではざっくりとしか分からないように思いました(ざっくり流れだけ知りたい人はこっちでもいいのかもしれません……)

実際に計算をするならザボを読む必要があると言われたのでM1〜M2にかけて読みました。上巻はかなり詳しくて、これだけ読めばハートリー・フォック法の実装ができるようになります。下巻はかなり飛ばし気味なので実装ができるほどではありませんでした。

ここからは今年読んだ本です。「量子化学」の本は化学寄りすぎる傾向があるので、もう少し物理寄りの「量子力学」を読もうと思って講談社基礎物理学シリーズのこれを読みました。清水本と違って波動力学を中心に話を進めているので1次元ポテンシャルや水素原子のシュレーディンガー方程式が実際に解けるようになります。

量子力学を学ぶための解析力学入門 増補第2版 (KS物理専門書)

量子力学を学ぶための解析力学入門 増補第2版 (KS物理専門書)

  • 作者:高橋 康
  • 発売日: 2000/10/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
量子力学では解析力学から得たアイデアが使われているため、解析力学も勉強しようと思いました。先月読んだ基礎物理学シリーズの解析力学の本で紹介されていたので読みました。量子力学に必要なところに絞って紹介されているので短いですが、古典力学への応用が全然出てこないのでこれだけ読んでも解析力学はよく分からないと思います。また、今のところはこの本で出てきた解析力学の知識が役に立った実感がありません。

量子力学〈1〉 (基礎物理学選書5A)

量子力学〈1〉 (基礎物理学選書5A)

量子力学〈2〉 (基礎物理学選書5B)

量子力学〈2〉 (基礎物理学選書5B)

古い本ですが、上の本で入門に良いと紹介されていたので知りました。講談社基礎物理学シリーズの量子力学の下巻は化学への応用からかなり離れていたので、多体系の話が書いてあるこちらを先に読みました1巻は今まで読んだ本とかなり被っていたのでざっと流し読みしました。2巻はハートリー・フォック近似や第二量子化が今までの本とは違う観点から書かれていて参考になりました。2巻の相対論的量子力学以降の話はあまり理解できていませんが、スピンが自然に出てくる話などは面白かったです。ただ、フォントや文体からやや古さを感じてちょっと親しみにくかったです。また、説明が簡潔で結論が弱く、だから何?となる話の流れも多かった気がします。同じシリーズに演習書があるので本気で勉強するならやったほうがいいのかもしれません……。

今は講談社量子力学の下巻を読んでいます。

読んだ本

芳文社のキャンペーンがあったのできららコミックスをたくさん買いました。

人間との恋愛を禁止されたアンドロイドの恋愛話です。「人間との恋愛を禁止」という要素がメインで、身分違いの恋を現代っぽくしたかったのかなと思います。SFっぽさはかなり薄かったのでロボット萌えを求める人には向きませんでした。

これを買った一因にはATRIをやってロボットとの恋愛ものブームが個人的に再燃したのがあります。今月はほかにもルーシィ ~彼女が望んでいたもの~をやりました。どちらもロボット三原則を前面に押し出していて、ロボット三原則大好きオタクとしては嬉しかったです。三原則の活用のうまさでは元ネタのわれはロボットに及ばないと感じてしまいましたが……(SFオタクは厄介)。ロボットとの恋愛ではとなりのロボットで出てくるような、機械特有の愛情表現の描写がかなり好きなのでそういう方向の作品がもっと増えてほしいです。

アニメが面白かった記憶があるので買いました。アニメをいい具合に忘れていたので面白かったです(選挙の詳細はアニメと違っていました)。絵が可愛いのは正義。

きららベースで連載を読んだときに面白かった記憶があったので読みました。生きるのがつらい要素を求めていたので結末には裏切られた思いがします。

石ミコの話が進んでよかったです。

かぐや様の人が原作なので買いました。1巻ではまだ序章が終わっただけなのでなんとも言えません。

東西南北! (百合姫コミックス)

東西南北! (百合姫コミックス)

なもり先生の新作なので買いました。24ページで200円という価格設定はかなり強気だと思いました。

資本主義の倒し方を求めて読みました。これを読んでも資本主義の倒し方は分かりませんでしたが、資本論に書いてあることはちょっと理解できた気がします。

RISC-Vクロスコンパイラで生成したバイナリを自作RISC-V上で実行する

4連休の課題としてFPGAで簡単なCPUを作っているので、その進捗を記録しておきます。

RISC-V (RV32I) の作成

とりあえず今回は確実に動くCPUを作ることを目標にしました。 パイプラインなどは実装せず、フェッチ→デコード→実行→メモリ・アクセス→書き戻しの5段階にそれぞれ1クロック使って、1命令に5クロックかける設計になっています。 命令セットにはRISC-Vの一番基本的な構成であるRV32Iを採用しましたが、簡単のため特権命令や割り込み周りは省略しました。 ハードウェアには以前使ったDigilentのBasys 3を使って、Vivadoで開発しました。 kivantium.hateblo.jp

あまり工夫したところはないので実装の詳細は説明しません。ソースコードはここに置いてあります。 github.com

RISC-Vクロスコンパイラのインストール

RISC-V向けのGCCriscv-gnu-toolchainというリポジトリで公開されています。以前はriscv-toolsというリポジトリ以下で公開されていたものが移動したらしいので、古い記事を参考にするときは気をつけてください。 github.com

READMEに従ってインストールするだけですが、configureで32bit用に設定する必要があります。ソースコードだけで10GB近くあるのでディスク容量に注意してください。

sudo apt-get install autoconf automake autotools-dev curl python3 libmpc-dev libmpfr-dev libgmp-dev gawk build-essential bison flex texinfo gperf libtool patchutils bc zlib1g-dev libexpat-dev
git clone --recursive https://github.com/riscv/riscv-gnu-toolchain
./configure --prefix=/opt/riscv32 --with-arch=rv32im --with-abi=ilp32d
make linux

/opt/riscv32以下にインストールされるのでPATHを通しておきます。

export PATH=/opt/riscv32/bin:$PATH

バイナリの作成

簡単な例として、フィボナッチ数列の第10番目の項を再帰で求めるプログラムを実行することにします。test.cを以下の通り作成します。main関数を抜けないようにするために最後に無限ループを実行しています。

int fib(int n) {
  if(n <= 1) return 1;
  return fib(n-1) + fib(n-2);
}

int main() {
  fib(10);
  for(;;) {}
  return 0;
}

これを自作CPUで動くようにコンパイルします。

普通にコンパイルしてしまうと未実装の命令を使った初期化ルーチンが走ってしまうので、まずはそれを無効にします。start.Sを以下の通り作成します。

.section .text.init;
.globl _start
_start:
    call main

何もせずにmainを呼び出すアセンブリになっています。

次に、命令を0番地から実行するように指定します。link.ldを以下の通り作成します。

OUTPUT_ARCH( "riscv" )
ENTRY(_start)

SECTIONS
{
  . = 0x00000000;
  .text.init : { *(.text.init) }
  .tohost : { *(.tohost) }
  .text : { *(.text) }
  .data : { *(.data) }
  .bss : { *(.bss) }
  _end = .;
}

以下のようにしてバイナリを生成します。

riscv32-unknown-elf-gcc -march=rv32i -c -o start.o start.S
riscv32-unknown-elf-gcc -march=rv32i -c -o test.o test.c
riscv32-unknown-elf-ld test.o start.o -lc -L/opt/riscv32/riscv32-unknown-elf/lib/ -Tlink.ld -nostartfiles -static -o test.elf
riscv32-unknown-elf-objcopy -O binary test.elf test.bin
hexdump -v -e '1/4 "%08x" "\n"' test.bin > test.hex

最後に出来上がるtest.hexには、CPUが実行する命令列が16進数で書かれています。

074000ef
fe010113
00112e23
(中略)
00a00513
f7dff0ef
0000006f

ELF形式のファイルに対してobjdumpを実行すると逆アセンブルした結果を見ることができます。

$ riscv32-unknown-elf-objdump -d test.elf

test.elf:     ファイル形式 elf32-littleriscv


セクション .text.init の逆アセンブル:

00000000 <_start>:
   0:   074000ef            jal ra,74 <main>

セクション .text の逆アセンブル:

00000004 <fib>:
   4:   fe010113            addi    sp,sp,-32
   8:   00112e23            sw  ra,28(sp)
   c:   00812c23            sw  s0,24(sp)
  10:   00912a23            sw  s1,20(sp)
  14:   02010413            addi    s0,sp,32
  18:   fea42623            sw  a0,-20(s0)
  1c:   fec42703            lw  a4,-20(s0)
  20:   00100793            li  a5,1
  24:   00e7c663            blt a5,a4,30 <fib+0x2c>
  28:   00100793            li  a5,1
  2c:   0300006f            j   5c <fib+0x58>
  30:   fec42783            lw  a5,-20(s0)
  34:   fff78793            addi    a5,a5,-1
  38:   00078513            mv  a0,a5
  3c:   fc9ff0ef            jal ra,4 <fib>
  40:   00050493            mv  s1,a0
  44:   fec42783            lw  a5,-20(s0)
  48:   ffe78793            addi    a5,a5,-2
  4c:   00078513            mv  a0,a5
  50:   fb5ff0ef            jal ra,4 <fib>
  54:   00050793            mv  a5,a0
  58:   00f487b3            add a5,s1,a5
  5c:   00078513            mv  a0,a5
  60:   01c12083            lw  ra,28(sp)
  64:   01812403            lw  s0,24(sp)
  68:   01412483            lw  s1,20(sp)
  6c:   02010113            addi    sp,sp,32
  70:   00008067            ret

00000074 <main>:
  74:   ff010113            addi    sp,sp,-16
  78:   00112623            sw  ra,12(sp)
  7c:   00812423            sw  s0,8(sp)
  80:   01010413            addi    s0,sp,16
  84:   00b00513            li  a0,11
  88:   f7dff0ef            jal ra,4 <fib>
  8c:   0000006f            j   8c <main+0x18>

C言語で書いた通り、再帰でフィボナッチ数を求めた後、`8c'を無限ループするプログラムになっていることが確認できます。

生成した16進数の命令列はSystemVerilogの$readmemhを利用して命令メモリに埋め込んでいます(ソースコード)。コードを変更するたびに論理合成をやり直す必要がありますが、命令列を外部から読み込ませるのは面倒なのでこうしました。

実機での動作

関数の引数と戻り値が入るa0レジスタの値を10進数で7セグLEDに表示する回路を組みました。しばらく計算した後、最終的な関数の返り値である89が表示されます。(動作を見やすくするためにクロックを10万分周しています)

今後の課題

xv6が去年からRISC-Vに対応したそうなので、xv6が動くようなCPUが作れると良いです。 OSを動かすためには割り込みなどの特権命令やスーパーバイザーモードでの仮想アドレスを実装しないといけないみたいので道のりは険しそうですが……

参考文献

ツールチェインの使い方が特に参考になりました。

github.com 上のFPGAマガジンで実装されているRISC-Vです(本誌からリンクされてなかった……)

1命令を5クロックで実行する設計はここから持ってきました(このコードではデコーダーやALUが順序回路になっていますが、自分の実装では組み合わせ回路になっています。2クロック無駄になっていますが、簡単のためです……)

mindchasers.com ツールチェインのコンパイルオプションはここを参考にしました。

2020年6月

出来事

インターンの話

先月から休職に入っていましたが、復帰しないまま退職しました。

自分は大学でしか生きられないと悟ったので、7月からは修士の研究室に戻って研究します。

研究の話

量子力学有機化学情報科学の三正面作戦を取る必要があるので、ニート期間を活かして勉強していました。どっちつかずの状態になってしまうことはないでしょうか?

休職中にやっていたテーマがうまく行きつつあるので今年中に次回作が出せればいいなと思っています。

創薬に役に立っ」と言えるようになるまで頑張ります。

読んだ本

量子力学の本を読んでいるとハミルトニアンポアソン括弧などの解析力学の概念が援用されていることがあります。解析力学を知らなくても一応読めるのですが、全く知識がないのは気持ち悪いので勉強しました。

講談社基礎物理学シリーズは高校生のときに読むよう薦められたのですが、当時はお金がなくて図書館で借りてちらっと読むくらいのことしかできませんでした。このシリーズは学部前半で読むことが想定されている気がしますが、簡単なところからスタートする方が結局は近道になると思うので謙虚に読んでいこうと思います。

怠ける権利 (平凡社ライブラリー)

怠ける権利 (平凡社ライブラリー)

自然の本能に復し、ブルジョワ革命の屁理屈屋が捏ねあげた、肺病やみの人間の権利などより何千倍も高貴で神聖な、怠ける権利を宣言しなければならぬ。一日三時間しか働かず、残りの昼夜は旨いものを食べ、怠けて暮らすように努めなければならない。

フランスの二月革命で掲げられた労働の権利に対する反駁として1880年に書かれたもので、当時の政治家ブラックによると「マルクスエンゲルス共産党宣言を除いて、社会主義関係の著書では、これほどまで多様の言語に翻訳されたものはない」とされている文章です。(それほど人口に膾炙したにも関わらず、マルクスエンゲルスからは無視されたことをはじめ、後世の研究者からもあまり注目されていないようです……)

確かに「労働の権利」を当たり前だと思わずに「怠ける権利」を主張していくべきでした。今までの自分の態度を深く反省しています。

継続高校の人々が各高校を回って食事するグルメ漫画。2巻で完結でした。

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